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歯科治療の歴史は、第一世代の痛みをとる治療から、第二世代の良く噛める治療へと推移してきており、現在は第三世代の見た目
を重視した治療へと移行してきております。その見た目を重視した治療をまとめて、審美歯科治療といいます。
審美歯科というと「ホワイトニング(歯の漂白)」と思われがちですが、ホワイトニングは審美歯科のほんの入り口でしかありま
せん。
元来、歯科治療は見た目を考慮しない治療はないものですが、近年の治療技術と治療マテリアルの向上により、より自然な治療効
果を得ることができるようになりました。例えば、歯の色の改善や歯肉形態の改善など、今まではあまり治療といえず、どちらかというと美容整形に近い部分の
施術も、簡単にまた体へのダメージも最小にできる施術方法が確立されてきていることから、施術も安心して行うことができるようになっています。
虫歯や外傷などで、歯にかぶせないといけなくなったとき、通常は差し歯にします。
歯と同じに見えるよう、金属の冠の上に白いモノを張り付けますが、その材質により保険適応と適応外(自費治療)に分かれます。よく行われるのが硬質レジン
前装冠(保険適応)と陶材焼付鋳造冠(適応外)です。しかしどちらにしても金属を使うため、歯に当たった光は完全に反射され、歯の内部を透過することがで
きません。そのため内部で光の乱反射や散乱が起こらず、白くは見えるものの透明感がなく不自然で、歯肉も暗くなってしまいます。特に、強い光の下での写真
撮影時には目立ってしまいます。
金属使用と審美的配慮をした差し歯の違い
そこで、自然かつ美しい仕上がりの金属を使わない処置が近年開発され、脚光を浴びています。右の模式図は、金属による方法で 差し歯にしたときと審美的に配慮をしたときの違いをご説明しています。
さらに、今まではオールセラミックスの差し歯にするだけで、審美障害を改善していましたが、医療技術の発展により土台(コ
ア)から考慮した治療ができるようになってきました。2002年4月より土台の素材として認可されたファイバーグラスは、光を透過し、また光を積極的に歯
根方向に導きます。その結果、歯肉を内側から明るくし、自然で健康的な歯肉に見せることができるのです。ますます審美治療の成功率と完成度が向上されまし
た。
このように、歯の表面だけではなく、中の状態や周り(歯肉)の状態を含めた、包括的な審美治療が可能となってきていま
す。
歯が白ければ美しいという審美治療は既に過去のものになっています。歯は周囲組織、つまり歯ぐきやリップとのバランスがあり
美しいと表現されます。
上の症例のように、かぶせ物が白いということだけでは決して審美的とはいえません。歯ぐきとの正しいバランスが達成され、初
めて美しいと感じることが出来ます。そのバランスは、一般的なバランスのほかに顔や笑い方などとのバランスもあります。いうなれば、静的な表現だけではな
く、動的な表現も考慮し歯と歯ぐきを整えてこそ真の審美歯科と言えます。