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クライアントは60代の男性で全顎的な歯科治療を希望して来院。臼歯部の崩壊と、極度のブラキシ
ズム(歯ぎしり)のため、前歯部の切端は典型的な異常咬耗を示していた(Fig.1)。臼歯部はブリッジとインプラント治療により咬合挙上を行い、前歯部
はコンポジットレジンによる修復を行うことを計画した。前歯部の形態は臼歯部での垂直的な咬合と顎運動時の動的な咬合に深く関与する。特に臼歯部の垂直的
咬合関係が低位になると、下顎前歯部は上顎前歯部を突き上げ、上顎前歯部のフレアアウトか歯冠部の異常咬耗を引き起こす。前歯部だけの修復では物理的に不
可能であり、仮に前歯部だけの修復で審美改善が出来たとしても、速やかな破壊が再び起こることになる。本症例でも臼歯部の垂直的咬合関係を改善したのち
に、前歯部の修復を行ったが、とくにブラキシズムへの考慮としての犬歯ガイドは必須である。通法に従い、コンポジットレジンで修復した後に(Fig.2-
4)、カットバック(Fig.5)を行う。切端部だけではなく、歯面とコンポジットレジンとの移行部も細かなカットバックを入れレイヤリングテクニックを
用いることにより、移行部が目だ立たなくなる(Fig.6)。ブラキサーに対する咬合再構成では、犬歯ガイドをやや強調して行うことにより、臼歯部ならび
に4前歯の咬耗は防止され、歯ぎしりも停止させることができる。
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